2014年5月1日
『相棒 ‐劇場版Ⅱ- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜』や特別ドラマ『警視庁取調官 落としの金七事件簿』で、霞ヶ関警視庁庁舎内の「慰霊碑」として石碑が登場します。
映画やドラマでは、石碑には以下のことばとともに、殉職した警察官のお名前が刻まれていました。
鎮魂のことば 命をかけて 世のため人のため 毅然と たたかった 警視庁人の心意気が ここにある 愛する者を残し 未来を信じながら いさぎよく 散っていった 警視庁人の物語が ここにある 功(いさおし)の末長く語り つがれんことを 御霊の安らかに 眠られんことを |
私は、この言葉に感銘を受け、一度、実物を拝見したいと思っていましたが、警視庁内で知っている方が居らず存在を疑っていました。
特別ドラマは、警視庁に実在した小山金七氏を描いたもので、トリカブト事件やロス疑惑を担当した名刑事で、原作である小野義雄著『警視庁取調官 落としの金七事件簿』(平成22年 産経新聞出版)によれば、「桜田門の交差点に面した正門を入ると、『都民の広場』と名づけられたホールが右手に広がる。
二階が吹き抜けのこのホールは警視庁見学の主要コースの一つ。彫刻や絵画、木製の椅子が置かれ、広場の東端には黒の御影石を土台にした銅板の慰霊碑が鎮座する。昭和四三年十月二十三日に当時の秦野章警視総監が建立した慰霊碑」で、小山金七氏がここに刻まれた殉職した警察官の事件、「昭和59年目白署警察官殺害事件」を解決したと紹介されています。
そこで、先日、訪庁した際に懲りずに再度、尋ねたところ、ご存知の方が居られました。
警視庁人事第一課表彰係の方のお話によれば、この碑は「警視庁職員殉職者顕彰碑」とのことです。
顕彰碑には、以下の言葉とともに横と裏に殉職された職員のお名前が刻まれています。
警視庁の歴史は 明治七年一月十五日にはじまり 爾来九十余年の輝かしい伝統は 数多くの先輩の努力によって築き あげられてきた 特にその間 崇高な使命に 殉じ尊い礎石となった人々が六百 二十一名の多きにのぼることを われわれは忘れてはならない ここに銘記するのは警察精 神の亀鑑として栄誉の最 高の表彰を受け警視庁の伝統に 不滅の光をかかげた人々である その功績を讃え遺訓に学ぶために これを顕彰し明治百年を期して 全庁職員とともに永く後世に伝える 昭和四十三年十月二十三日 第六十七代警視総監 秦野章 |
この碑は、関東大震災、東京大空襲や事件、事故などで殉職された警視庁職員の方々を広く知らせるためのもので、慰霊碑は、千代田区内の北の丸公園にあります。
顕彰碑には、先の小山金七氏が担当した事件のように殉職した警察官の名とともに「昭和59年7月10日、豊島区南長崎で不審者を発見し職務質問する際に格闘となり追跡した際に、刃物で腹部等を刺されたがこれに屈せず逮捕せんと追跡するも力つきて殉死した」と刻まれています。
しかし、残念ながら、警視庁内には一般の方は見学以外で入ることができないので見ることができませんが、殉職された警察官の方々のお名前や殉職された時の様子や遺品は警視庁の警察博物館に展示・詳解されています。
私は、一市民として、殉職された警察官のご冥福をお祈りするとともに、警察官が現場で命を落とす事件が発生しないことを願うばかりです。
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