2021年6月29日
2021年6月29日動画追加
2021年5月7日写真追加
2017年1月25日掲載
クラウンパトカーは、警察庁が年に一度、大量購入をして全国に配備しているものが99%を占めています。そして、理由は不明ですが、モデルチェンジしたベース車両を使用せずマイナーチェンジしたモデルをベース車両にするというのがこれまでの慣例でした。
警察庁が出す仕様書の基準、排気量であれば無線警ら車は2.5L以上、交通取締用四輪車では3.0L以上でなければならず、現行の市販の210系クラウンは2015年10月にマイナーチェンジしましたが、ロイヤルは2.5Lまでの設定しかなくアスリートは2.5L(2WD)の設定がなく、マークXになるのではないかという憶測が流れクラウンパトカーの動向が注目されていました。
しかし、ついに210系クラウンパトカー(無線警ら車)が配備され公開されるようになりました。
無線警ら車とは、主に各警察署に配備され、街中でパトロールや職質、事件現場の臨場に使用されるもの、それに対し交通取締用四輪車は、交通違反の検挙を主な任務とし交通警察隊を中心に配備される。 |
マガジンXという雑誌に「ベースに使われるのはロイヤルではなくアスリートだという」との記事が流れましたが正しくなく、発売の正式アナウンスはトヨタ自動車からないものの、トヨタ自動車のホームページの4月発売の車として「レスキュー時の取り扱い」に掲載され、無線警ら車はロイヤルがベースであることが明らかになりました。
レスキュー取扱いに掲載された写真
しかし、ロイヤルでは、市販車は2.5Lまでの設定で交通取締が求める3.0L以上の設定がありません。ロイヤルに3.5Lをのせるか?と謎がのこりました。
先般、トヨタの社内報に写真付きで掲載され、交通取締はアスリートであることが明らかになりました。
細かい仕様は掲載されていませんでしたが、警察庁からの詳細資料により3.5Lであることが判明しています。
トヨタ社内報『クリエイション6月号』より
エンジン | トランスミッション | 駆動 | |
---|---|---|---|
アスリートT | 8AR-FTS (2.0Lターボ) |
8 Super ECT | 2WD (FR) |
アスリートS-T | |||
アスリートG-T | |||
アスリートi-Four | 4GR-FSE (2.5L) |
6 Super ECT | 4WD |
アスリートS i-Four | |||
アスリートG i-Four | |||
アスリートS | 2GR-FSE (3.5L) |
8 Super ECT | 2WD (FR) |
アスリートG | |||
アスリート | リダクション機構付のTHSⅡ (ハイブリット) |
||
アスリートS | |||
アスリートG | |||
アスリートFour | 4WD | ||
アスリートS Four | |||
アスリートG Four |
エンジン | トランスミッション | 駆動 | |
---|---|---|---|
ロイヤル | 4GR-FSE (2.5L) |
6 Super ECT | 2WD (FR) |
ロイヤルサルーン | |||
ロイヤルサルーンG | |||
ロイヤルi-Four | 4WD | ||
ロイヤルサルーンi-Four | |||
ロイヤルサルーンG i-Four | |||
ロイヤル | リダクション機構付のTHSⅡ (ハイブリット) |
2WD (FR) |
|
ロイヤルサルーン | |||
ロイヤルサルーンG | |||
ロイヤルFour | 4WD | ||
ロイヤルサルーンFour | |||
ロイヤルサルーンG Four |
今回は、無線警ら車2.5Lの詳解をします。
無線警ら車の外観はロイヤルがベースとなっています。ドアハンドル(正式名称アウトサイドドアハンドル)は、カラーハンドルとメッキの組み合わせの物ではなく市販車の廉価版と同様の樹脂製のカラーハンドルとなっています。
また、形状からスマートエントリー(ドアハンドルに触るだけで施錠・開錠ができるもの)を搭載しているように見えますが、実際は搭載されていません。今回から、ドアハンドルに触るだけで施錠・開錠ができるものが搭載されていることが確認できました。この点について訂正してお詫びします。
なお、リモコンキーで施錠・開錠ができるかは現在のところ不明です。また、今回からリモコンキーでも施錠・開錠ができることが確認できました。
無線警ら車の仕様の一つとして補助警光灯(フロントにある赤色灯)があるのですが、こちらは仕様書では「フロントバンパー部に取付け」なさい、とあります。
しかし、実際に取り付いているところはバンパーか?という疑問が生じるのと、ちょっと下すぎない?という疑義がありますが・・・
座席は、運転席、助手席、後部座席ともにビニールレザーの耐水性のあるものとなっており(仕様書による指定)、見た感じが黒色でレザーなので高級そうに見えますが市販車のシートとは材質が異なりますので、高級仕様と誤解しないでくださいね。
また、後部座席は仕様により、センターアムレス(ひじ掛け)はなく、一体物となっています。
運転席と助手席の座席は手動です。市販車でも廉価のロイヤルには同様の手動の座席があります。
先代の200系クラウンパトカーと180系ゼロクラウンパトカーは、市販車では木目調、パトカーでは極力木目調を控えていましたが、今回、ドア、グローブボックス等いたるところに木目調があり気になりました。
しかし、ロイヤルの木目調(茶木目(格子柄入り))ではなく、アスリートに使用されている木目調パネル(メノウ加飾)です。
今回からロイヤルも市販車で内装色がブラックの設定があるので、どちらがベースというのは難しいですが、木目調のみでみると外観はローヤル、内装はアスリートベースという感じです。
エンジンは、V型6気筒DOHC(4GR-FSE)が搭載されており、ミッションも6速ATとなっています。基本的に性能は市販車と変わりありません。
エンジンルームは、先代の200系クラウンパトカーではカバー類、断熱材など一切が撤廃されていましたが、210系は、カバー類や断熱材が市販車と同様になっています。
写真は、左が210系のエンジンルーム、右が先代の200系クラウンのエンジンルーム
200系クラウンパトカーは、オーディオ(CD、ラジオ)のみという設定が市販車にあり、CDのところにサイレンアンプを据え付け、ラジオのみの使用できるようにしていました。
210系の市販車は、オーディオのみという設定がなくナビ付きかオーディオなしの設定しかありません。そこで、ラジオをサクシード等の商用車(会社などで使用するライトバン)に使用しているラジオを据え付けてあります。
したがって、このような廉価のオーディオのため運転席のハンドルの内側左ボタンには、オーディオを手元で操作するようにボタンがあるのですが、こちらが使用できないと思われます。
そして、その下にサイレンアンプ(サイレンを鳴らしたり赤色灯を操作する装置)が今回からSAP-500BK-PVの生産終了に伴いSAP-520PBV-PKに変更され取り付けてあります。
写真は、左が210系、右が200系
速度測定記録装置は、エアコンの操作パネルの上、市販車ではナビが取り付くところに装着されています。
オーディオがなければもっとシンプルに取り付くのに、と思うのですが、警察庁調達車両共通仕様書により、インストルメントパネルにラジオは必須です。
とはいうものの、200系に比べると格段に収まりの悪さが否めません。
無線警ら車は、購入する度に値段が変動します。例えば200系クラウンパトカーの平成23年度の購入価格は、一台あたり350万円でしたがゼロクラウンパトカーは220万円でした。ちなみに市販車ではいずれも新車の販売価格は330万円は下らない車となっています。
今回の210系クラウンの市販車は、ロイヤル(DBA-GRS210-AETLH)で3,530,000円(メーカー希望小売価格、税別)、アスリート2.0Lターボも3,592,593円(メーカー希望小売価格、税別)となっています。
、今回の210系クラウンパトカーの値段は、DBA-GRS210-AETRHという専用型式をもったもので一台当たり2,759,000円(税別)ですが、ただ、674台をまとめて購入という条件になります。
ちなみに、2WDと4WDというのは駆動方式で、2WDがクラウンの場合、後輪の2輪駆動、4WDが前輪と後輪の4輪駆動ということです。4WDは、山岳部や降雪地域に配分されるようです。外観はほぼ変わりなくギア比が異なると思われますが、諸元表が4WDは情報公開で非開示になったので詳細は不明です。
詳細仕様 | 台数 | 単価 | 合計金額 |
無線警ら車 2WD | 489台 | 2,759,000円 | 1,349,151,000円(13億4915万1千円) |
無線警ら車 2WD(雪よけカバー付き) | 4台 | 2,777,000円 | 11,108,000円(1,110万8千円) |
無線警ら車 2WD(特別防錆処理) | 6台 | 2,877,600円 | 17,265,600円(1,726万5600円) |
無線警ら車 4WD | 84台 | 3,008,600円 | 252,722,400円(2億5千2百72万2,400円) |
無線警ら車 4WD(雪よけカバー付き) | 69台 | 3,026,600円 | 208,835,400円(2億8百83万5,400円) |
無線警ら車 4WD(北海道地区・雪よけカバー付き) | 22台 | 3,044,600円 | 66,981,200円(6,698万1,200円) |
合計 | 674台 | 1,906,063,600円(19億606万3,600円) |
平成28年度 無線警ら車仕様書
210系クラウンパトカー(無線警ら車)製作図面承認申請書
※トヨタ自動車HPより https://newsroom.toyota.co.jp/en/detail/9600139
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