2007年11月24日
この表は、第16回に法務省が作成した判例・学説による民法現代語化案の検討課題の一覧表をもとに作成したものである。もちろん、これ以外に現代語化された条文はあるが、研究会の全員が出席の全大会で検討されたものを表にした。
民法の新旧条文対照表一覧(1条~248条)PDFファイル
民法の新旧条文対照表一覧(249条~398条)PDFファイル
民法の新旧条文対照表一覧(399条~724条)PDFファイル
民法の新旧条文対照表一覧(1条~724条一括(容量が大きいので注意))PDFファイル
※私製につき、参考程度でお使いください。
【別表】 判例・学説による改正案(条文一覧)《法務省作成の研究会第16回の資料より作成》 | ||||
条番号 |
見出し |
判例・学説による改正箇所 | 改正案の内容 |
改正の成否 |
129条 | 条件附権利の効力 | 本文 | 文言を明確にした。 | 判例・学説案により改正 |
153条 | 催告 | 本文 | 催告に「支払いの命令の申立て」や「調停の申立て」を入れたもの。 | 判例学説案に近い形で改正 |
159条 | 財産管理者に対する無能力者の権利の時効の停止 | 本文後段に追加 | 無能力者の財産についての管理者の取得時効の停止について条文化したもの。 | 否 |
162条 | 所有権の取得時効 | 2項本文 | 他人の“不動産”とあるのを“物”に改めた。 | 判例・学説案により改正 |
168条 | 定期金債権の消滅時効 | 1項但書き | 1項本文の「債権が法律関係から分離して時効により消滅すべきでないときは、この限りでない」とする但書き改正案。 | 否 |
169条 | 定期給付債権の消滅時効 | 本文 | 1年以内の周期で定期に支払われるべき債権(支分権)であるとする判例・通説の明文化。 | 否 |
319条 | 善意取得の準用 | 本文 | 195条を準用しているが学説は無意味あるいは疑問があるとして、準用を外す点について。 | 否 |
370条 | 抵当権の効力の及ぶ範囲 | 本文 | 抵当権の及ぶ範囲について「従たる権利」にも及ぶと加えた。 | 否 |
374条 | 被担保債権の範囲 | 本文 | 最後の二年分について「他の債権者に先立って」という文言の追加。 | 否 |
388条 | 法定地上権 | 本文 | 土地と建物の両方に抵当権を設定した場合にも法定地上権が認められることについての明文化した。 | 否 |
395条 | 短期賃貸借の保護 | 本文 | 602条の「登記」を「対抗要件」という語にかえることによって、判例・学説との整合性を図ろうとした。 | 否。なお、平成15年の改正で短期賃貸借はすでに廃止されている。 |
415条 | 債務不履行 | 本文後段 | 旧規定が履行不能の場合にだけ責めに帰すべき事由を要求しているように読めるので、後段を「ただし、債務者の責めに帰すべき事由によらないときは、この限りでない」に替えた。 | 研究会では採用されなかったが、パブリックコメントの段階では、本文に新たに付け加える形の但書きで改正案の条文になっている。結局、本改正では採用されなかった。 |
420条 | 賠償額の予定 | 1項 | 裁判所は、「損害の有無にかかわらず」、その額を認めなければならないとする文言の追加。 | 否 |
423条 | 債権者代位権 | 2項を付加し旧2項を3項に | 金銭を目的とする場合には無資力を要件とし、保存行為は無資力を要件としないことを明文化した。 | 否 |
424条 | 債権者取消権 | 1項 | 本稿参照 | 否 |
425条 | 債権者取消権行使の効果 | 1項または2項 | 本稿参照 | 否 |
443条 | 求償要件――請求の通知、出捐の通知 | 2項 | 相対的効力説を条文化したもので「連帯債務者の一人が、弁済その他自己の出費によって共同の免責を得たことを外の債務者に通知することを怠ったために、他の債務者が善意で債権者に弁済をし、その他有償に免責を得たときは、その債務者は、先に共同の免責を得た債務者に対し、自己の弁済その他の免責の行為を有効なものとみなすことができる」とした。 | 否 |
444条 | 償還無資力者ある場合 | 2項の新設 | 2項で「連帯債務者の中の負担部分のある者がすべて償還をする資力をもたないときは、償還することのできない部分は、負担部分のない者の間で、頭数に応じて分担する」と加えた。 | 否 |
468条 | 異議を留めない承諾の効果 | 1項本文 | 譲受人は善意でなければならないという判例を明文化した。 | 否 |
478条 | 債権の準占有者への弁済 | 本文 | 準占有者への弁済が善意で「かつ、過失がなかった」という要件を明文化した。 | 判例・学説の改正案により改正 |
481条 | 差押債権の弁済 | 本文 | 弁済の相対的無効を規定するものだとして、本文を「支払いの差止を受けた第三債務者が自己の債権者に弁済したときは、差押債権者は、さらに弁済すべき旨を第三債務者に請求することができる」にした。 | 否 |
501条 | 弁済による代位の効果・代位者相互の関係 | 1項本文、1号、2号、3号の改正および2項の新設 | 最判昭和59年5月29日の諸判決は、代位の結果、原債権とその担保権が移転すると考え、通説もこれを支持しており、これを明文化し、各号において、代位者相互間の関係を学説によって明文化し、2項で代位弁済の後に第三取得者に代位するときのみ登記を要求した。 | 否 |
502条 | 一部弁済による代位 | 1項・2項 | 1項で「代位される権利が分割して行うに適するときでも、代位者は、債権者と共にでなければその権利を行うことができず、その権利は、債権者に劣後する」とし、2項で「代位される権利が分割して行うに適しないときには、債権者のみこれを請求できる」と一部を変更した。 | 否 |
519条 | 免除の効果 | 本文但書きの追加 | 但書きで「その債権につき第三者が正当な利益を有する場合は、債権の消滅をその第三者に対して対抗することができない」を加えた。 | 否 |
650条 | 受任者の費用償還請求権等 | 1項・2項本文 | 「必要ト認ムベキ」は受任者が相当の注意のもとに必要と認めたことであり、客観的標準によるものではないとされているので、これを条文化したもの。 | 否 |
653条 | 受任者の終了原因 | 1項および2項の新設 | 当事者の死亡、特に委任者の死亡によっては委任が終了しない場合が多く、契約の性質上、例外的に委任者の死亡では終了事由にならないことを明らかにした。 | 否 |
660条 | 受寄者の通知義務 | 本文 | 「差押」に「仮差押」、「仮処分」を含むことを明らかにした。 | 判例・学説の改正案により改正 |
708条 | 不法原因給付 | 本文但書き、および枝条文の新設 | 本稿参照 | 否 |
709条 | 不法行為の要件と効果 | 本文 | 「故意又は過失によって他人の保護されるべき利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」とした。 | 詳しくは別稿に委ねたい。 |
711条 | 生命侵害に対する慰謝料 | 1項後段、2項の追加 | 1項で、被害者の父母、配偶者及び子と同視できる関係にある者も含めること、2項で本人が死亡したときのも比肩しうべき精神上の苦痛を受けたときにも711条1項の適用を認めることにしたもの。 | パブリックコメントの段階では1項は採用されず、2項の案を1項但書きにした改正案となっていたが、寄せられた意見の中に確立された判例・学説でないとの意見があり本改正は見送られた。 |
715条 | 使用者の責任 | 1項および2項本文 | 1項は本稿参照。2項では「使用者に代わって現に事業を監督する地位にある者も、前項の責任を負う」にする案。 | 否 |
722条 | 損害賠償の方法、過失相殺 | 枝条文の新設 | 722条の2で、差止めについて、722条の3では、被害者の不注意で損害が拡大したときの賠償額について裁判所が斟酌できることの条文化。 | 否 |
723条 | 名誉毀損における特則 | 本文の修正、2項および枝条文の新設 | 本文で、名誉回復の措置について「謝罪広告」の明文化。2項で法人や団体の名誉侵害について、枝条文で公共の利害がある場合の特例についての条文の新設。 | 枝条文は研究会案として採用されたが、パブリックコメントの段階で削除された。 |
724条 | 損害賠償請求権の消滅時効 | 本文 | 「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又は法定代理人が損害及び損害義務者を確知したときから3年間・・・」とする一部文言の修正。 | 否 |
This site has nothing to do with FBI (Federal Bureau of Investigation).
I support activity of FBI.
If you want to look at a homepage of FBI, trace the following link.
https://www.fbi.gov/
https://www.fbijobs.gov/